シェタニ=精霊をモチーフにした芸術家といえば、ジョージ・リランガを忘れるわけにはいかない。モザンビーク出身のマコンデ人で1934年生まれ。のちにタンザニアに移住した。家業はサイザル農家だったが、「男達は、昼過ぎに畑仕事から戻ると、彫刻をしはじめる。バナナの葉の屋根の小屋の下でね」という環境だった。リランガ自身も幼い頃にキャッサバを木のかわりにして見よう見まねで彫り始めたそうだ。
ヘンドリック・リランガ(Hendrick Lilanga)
七色の声を持つ男といわれるフクウェ・ウビ・ザウォセは、1938年ドドマ生まれ。ゴゴ人である。農家に生まれるが、村にはいつも音楽があふれ、幼少の頃から楽器を手にしていた彼は、伝統楽器である弦楽器のゼゼや親指ピアノともいわれるイリンバなどを自分で改良して弾きこなすようになる。おまけに人々が涙して酔いしれるほど甘美な声の持ち主でもあった。1967年に当時の大統領ニエレレ氏がドドマでザウォセの演奏を聴いて感動し、彼をダルエスサラームに呼び寄せて、国立歌舞団結成に加わらせた。その後、バガモヨ芸術短期大学の教師となり、その中から選りすぐったバガモヨプレイヤーズの主要メンバーとして日本も含めた世界各地で演奏し、好評を博したのである。彼の空を駆けていくような澄んだ高い声から地を這うような低い声までのバリエーション、まさに七色の声は一度聞いたら忘れられない。ふくよかな身体を揺らしながら奏でるイリンバやゼゼの演奏は、荘厳であるばかりでなく、時にはコミカルでもある。芸術短大は1993年に退官したが、ザウォセは、今や国宝といってもいいほどのタンザニアを代表する音楽家なのである。
チビテ(CHIBITE)
目や歯や鼻や角などと思われるものが所々に付いていて、その存在感をふりまいている。気持ち悪いと思う人もいるかもしれないが、その立ち姿は、モダンでシンプルで潔い。
マティアス・ナンポカ(Matias Nampoka)