フクウェ・ウビ・ザウォセ(Hukwe Ubi ZAWOSE)


七色の声を持つ男






七色の声を持つ男といわれるフクウェ・ウビ・ザウォセは、1935年ドドマ生まれ。ゴゴ人である。農家に生まれるが、村にはいつも音楽があふれ、幼少の頃から楽器を手にしていた彼は、伝統楽器である弦楽器のゼゼや親指ピアノともいわれるイリンバなどを自分で改良して弾きこなすようになる。おまけに人々が涙して酔いしれるほど甘美な声の持ち主でもあった。1967年に当時の大統領ニエレレ氏がドドマでザウォセの演奏を聴いて感動し、彼をダルエスサラームに呼び寄せて、国立歌舞団結成に加わらせた。その後、バガモヨ芸術短期大学の教師となり、その中から選りすぐったバガモヨプレイヤーズの主要メンバーとして日本も含めた世界各地で演奏し、好評を博したのである。彼の空を駆けていくような澄んだ高い声から地を這うような低い声までのバリエーション、まさに七色の声は一度聞いたら忘れられない。ふくよかな身体を揺らしながら奏でるイリンバやゼゼの演奏は、荘厳であるばかりでなく、時にはコミカルでもある。芸術短大は1993年に退官したが、ザウォセは、今や国宝といってもいいほどのタンザニアを代表する音楽家なのである。

チビテと一緒に踊るザウォセ バガモヨにある彼の家は、5人以上の妻とたくさんの子供たち、その家族や孫や甥、姪、親戚など総勢40名以上が一緒に住んでいる。現在は、その大家族からメンバーを集めて、チビテ(CHIBITE,ゴゴ語で「一緒に行こう」という意味)というグループを作り、その指導育成に当たっている。無論、ザウォセが中心メンバーである。甥のチャールス(1970~2004)とは何度か海外公演をしてきたが、チビテとしては、1999年に初の海外公演である日本縦断公演を成功させ、2000年にも日本で、2001年度はスウェーデンでも行っている。



その後も活躍を続けていたが、病に倒れ、2003年12月30日に他界した。フクウェの音楽は彼が鍛えたCHIBITEが受け継いでいくであろう。


ディスコグラフィー

THE ART OF HUKWE UBI ZAWOSE


驚異のイリンバアンサンブル
ビクター音楽/1990年

1989年にフクウェ・ザウォセ、ディクソン・ムクワマ、ルベレデ・チウテのバガモヨ芸術大学の最強トリオ3人で来日したときにスタジオ録音したもの。3人とも故人となり、CDでしかアンサンブルを聴くことができない。


平和を夢見て/フクウェ・ザウォーセ



リアルワールド(ヴァージン)/1996年

フクウェが甥のチャールス・ザウォセとWOMAD音楽祭に招かれたときにイギリスで録音。イギリス版の題名は『CHIBITE』。日本版には中村とうようさんが解説を書いている。


MKUKI WA ROHO



リアルワールド/2000年

スワヒリ語の題名の意味は『魂の槍』一段と成長したチャールスと円熟したフクウェが織り成す絶妙のハーモニーとリンバやゼゼとのアンサンブル。


MATESO/MASTER MUSICIANS OF TANZANIA



Triple Earth Records/2004年

フクウェの追悼盤として日本で発売された。バガモヨプレイヤーズ時代の1985年の演奏と若々しい歌声、ムクワマとチウテとの3人のアンサンブルは1987年の録音を聴くことができる。荻原和也さんの説明つき。





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