タンザニア図書ライブラリー

ー 日本語文献のみ ー


タンザニアのことを知るためにはタンザニアを旅するのが一番だが、その予習として、あるいは復習として。

1.政治・経済・歴史

      
  1. 吉田昌夫『アフリカ現代史Ⅱ東アフリカ』(山川出版社1978)
        タンザニアを含めた東アフリカ地域9カ国の通史。入門書としては最適。2000年に新版。
      アフリカ農村と貧困削減
  2. 宮本正興・松田素ニ編『アフリカ史』(講談社1997)
        アフリカ通史の新書版。タンザニアにも触れられている。
      
  3. 白石顕ニ『ザンジバルの娘子軍』(教養文庫1997)
        ザンジバルのからゆきさん伝説発掘の記録。

  4. 末原達郎編『アフリカ経済』(世界思想社1998)
        東アフリカの項では専らタンザニア経済の動向が分析されている。

     
  5. 青木澄夫『日本人のアフリカ発見』(山川出版社2000)
        明治・大正時代の日本人のアフリカ渡航・進出の歴史を丹念にまとめる。
        同じ著者に『アフリカに渡った日本人』(時事通信社1993)もある。
      
  6. 富永智津子『ザンジバルの笛』(未来社2001)
        インド洋世界と東アフリカ世界の交流から生み出されたスワヒリ世界。
        その精華であるザンジバルの歴史と文化を分かりやすく生き生きと描きだす。
        同じ著者の、世界史リブレット『スワヒリ都市の盛衰』(山川出版社2008)はインド洋西海域のスワヒリ世界の通史の入門書としては最適である。
      
  7. 川端正久『アフリカ人の覚醒』(法律文化社2002)
        タンガニーカ(現タンザニア)が英領植民地になってからTANUの成立までの民族運動史。(1920-54)
         ニエレレ賛美、偏重を見直す、著者のライフワーク。
      
  8. 北川勝彦・高橋基樹編『アフリカ経済論』(ミネルヴァ書房2004)
        サハラ以南のアフリカの経済の現在をマクロ的に捉えながら、背景としての歴史の流れも概説し、アフリカ経済の平易な入門書を意図している。
        タンザニアについてもたびたび触れられている。

  9. 栗田和明・根本利通編『タンザニアを知るための60章』(明石書店2006)
        最新のタンザニアの概説・入門書。南西部ニャキュウサ・ランドの調査の長い著者の、村の生活の紹介がおもしろい。同じ著者で、隣国マラウィを紹介した『マラウィを知るための45章』(明石書店2004)もある。
     
  10. 辻村英之『おいしいコーヒーの経済論ー『キリマンジャロ」の苦い現実』(太田出版2009)
        タンザニア産コーヒー・キリマンジャロの生産、流通、価格形成を追って、フェアトレード運動を担う研究者の最新の集大成。
    前著『コーヒーと南北問題』(日本経済評論社2004)に続き、弊社の農村滞在のホスト村の一つであるルカニ村での調査に基づいている。

  11. 池野旬『アフリカ農村と貧困削減』(京都大学学術出版会2010)
        キリマンジャロ州ムワンガ県の北パレ山塊にある農村をフィールドとして、開発やグローバリゼーションの波を受けながらも、社会変動や生態環境の変化に巧みに対応し、したたかに生き延びる農民社会の姿を描き出す。
2.社会・文化

    ダトーガ民族誌ー東アフリカ牧畜社会の地域人類学的研究  
  1. 吉田昌夫・小林弘一・古沢紘造編『よみがえるアフリカ』(日本貿易振興会1993)
        タンザニアなど(他にエチオピア、ナイジェリア、ザンビアなど)の民衆の暮らしと援助の関わりを考察する。
      
  2. 赤坂賢・日野舜也・宮本正興編『アフリカ研究ー人・ことば・文化』(世界思想社1993)
        日本を代表するアフリカ人類学・言語学・歴史学・経済学者による入門的解説書。
      
  3. 和田正平編『アフリカ女性の民族誌ー伝統と近代化のはざまで』(明石書店1996)
        アフリカ女性の人類学的研究。和田正平によるタンザニアのイラク人の寡婦婚の例。
      
  4. 木村映子『おしゃべりなタンザニア』(東京新聞社1995)
        タンザニア滞在の長いスワヒリ語研究者による、文学を中心としたタンザニア社会の裏話。

  5. 片寄俊秀『ブワナ・トシの歌』(朝日新聞社1963)
        京都大学のアフリカ類人猿調査隊のカボゴ基地建設のためにやってきた若い技師の奮闘の記録。
           渥美清主演映画の原作。文庫版もある(現代教養文庫1976)
      
  6. 富川盛道『ダトーガ民族誌ー東アフリカ牧畜社会の地域人類学的研究』(弘文堂2005)
        日本アフリカ研究の聖地マンゴーラに腰を据え、牧畜民ダトーガの研究を始めた大人の記録。「サバンナの木」「1まいのスカート」といったエッセイが素晴らしい。
      
  7. 金山麻美『星降る夜は緑の匂いータンザニアで暮らすー』(ゲンタデザイン2005)
        アフリカに憧れた女性が、アフリカを旅し、住み着き、母となり、タンザニア人と笑ったり、踊ったり、けんかをしたり、現在進行形の生活記録。

3.動物・自然

      チンパンジーーことばのない彼らが語ること   
  1. 伊谷純一郎『チンパンジーの原野ー野生の論理を求めて』(平凡社1977)
        京都大学の霊長類学・人類学研究を率いた著者による、チンパンジー研究が端緒につくまでの試行錯誤とトングウェの人々の社会の考察の記録。
    平凡社ライブラリー版(1993)がある。同じ著者による『ゴリラとピグミーの森』(岩波書店)など多数。
      
  2. 西田利貞『精霊の子どもたち』(筑摩書房1973)
        辺境マハレ山塊に住み込み、野生チンパンジーの餌付けに苦闘する若き学徒の感動の記録。チンパンジーだけでなく、住民トングウェの人々の姿も生き生きと描かれている。
    ここから世界をリードするマハレのチンパンジー研究がスタートした。
        同じ著者の『チンパンジーおもしろ観察記』(紀伊国屋書店1994)には最近の研究の成果がまとめられている。
      
  3. 西田利貞・川中健二・上原重男『マハレのチンパンジーー<パンスロポロジー>の37年』(京都大学学術出版会2002)
        マハレのチンパンジー研究の現段階での集大成。
      
  4. ジェーン・グドール『心の窓』高崎和美・高崎浩幸・伊谷純一郎訳(どうぶつ社1994)
        ゴンベのチンパンジー研究30年の記録。人間と動物とをつなぐ架け橋としてチンパンジーを見る著者の心の襞が感じられる。
        同じ著者の『森の隣人たち』(平凡社1973)もある。
      
  5. 加納隆至・黒田末寿・橋本千絵編『アフリカを歩くーフィールドノートの余白に』(以文社2002)
       コンゴのワンバでボノボ(ピグミーチンパンジー)のフィールドを開いた霊長類学者加納隆至とその門下生によるフィールドワークの楽しさを伝える。
      
  6. 岩合日出子『アフリカポレポレー親と子のセレンゲティ・ライフ』(朝日新聞社1985)
        写真家の夫と娘と一緒にセレンゲティに1年半住み込んだ著者の大自然への賛歌。
          文庫版もある(新潮文庫1990)

  7. ティス・ゴールドシュミット『ダーウィンの箱庭・ヴィクトリア湖』丸武志(草思社1999)
        進化の実験場ヴィクトリア湖で多様なシクリッド(カワスズメ科の魚)の分類に熱中するオランダ人の若手研究者が、ある日ナイルパーチという外来魚の侵略に気づく。
      
  8. 福田史夫『アフリカの森の動物たちータンガニーカ湖の動物誌』(人類文化社2001)
        JICA専門家として3年間マハレでチンパンジーを追った著者の、森の動物、魚、人びとの観察記録。
          やさしく分かりやすい解説である。
      
  9. 伊谷純一郎『原野と森の思考ーフィールド人類学への誘い』(岩波書店2006)
        京都大学大サバンナ調査隊類人猿班の班長だった先人の記録。チンパンジーから、焼畑農耕民トングウェや、牧畜民トゥルカナの人々の優しい観察に魅了される。
     
  10. 中村美知夫『チンパンジーーことばのない彼らが語ること』(中公新書2009)
        1994年からマハレで観察、研究を続けている著者が、チンパンジーという「他者」と向き合う中から見えてきたもの。良質の分かりやすい哲学書のようでもあり、自分の「良識」を疑いながら読み進めていける。
     
  11. 岩井雪乃『参加型自然保護で住民は変わるのかータンザニア・セレンゲティ国立公園におけるイコマの抵抗と受容』(早稲田大学モノグラフ2009)
        タンザニア最古で最も高名な国立公園セレンゲティ。その設立のために移転を余儀なくされ、伝統的な生業であった狩猟も密猟とされ、また外国資本の自然保護の名目のもとに父祖の土地を奪われようとするイコマの人々にとって、「参加型住民保護」という理念は意味を持ったのだろうか?

4.言語・文学・美術・音楽

       スワヒリ文学の風土 
  1. 白石顕ニ・山本富美子編『アフリカ・フォイーリランガの宇宙』(講談社1993)
        マコンデ人芸術家の代表者ジョージ・リランガの作品集。

  2. サイード・アフメド・モハメッド『離散』守野庸雄訳(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所2003)
        スワヒリ語作家の第一人者による、社会主義時代のザンジバル社会を背景とした、社会的欺瞞、性的抑圧の描写。

  3. 竹村景子『スワヒリ語のしくみ』(白水社2007)
      ザンジバルでの調査歴の長いスワヒリ語研究者が分かりやすい文体で記した入門書。コラムも読み応えあり。CD付き。
    よりやさしい『ニューエクスプレス・スワヒリ語』(白水社2010)もある。

  4. 多摩アフリカセンター編『アフリカン・ポップスの誘惑』(春風社2007)
          アフリカに関わる若手研究者やライターによるタンザニアをはじめ、西アフリカ、南部 アフリカと幅広くアフリカの「流行歌」を紹介する本。

  5. 梶茂樹+砂野幸稔編『アフリカのことばと社会ー多言語状況を生きるということ』(三元社2009)
          独立の際に同一民族・言語とは縁遠い国家を選択させられたアフリカ諸国の中で、アフリカ固有の言語であるスワヒリ語を国家語として選ぶことのできたタンザニアという稀有の存在と他国の状況を見る。

  6. サカキマンゴー『親指ピアノ道場!ーアフリカの小さな楽器でひまつぶし』(ヤマハミュージックメディア2009)
          故フクウェ・ザウォセ氏に師事し、ザンジバルのSauti za Busaraにも招待され出演した、日本の親指ピアノの第一人者サカキマンゴーによる親指ピアノ探しの旅と、各地の演奏例の紹介・指南。

      
  7. 宮本正興『スワヒリ文学の風土ー東アフリカ海岸地方の言語文化誌』(第三書館2009)
          東アフリカ海岸地方=スワヒリ地方の文学・言語研究の第一人者によるスワヒリ語の発生、スワヒリ口承文学の発展から、現代に至るまでの歴史文化論。

      



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