リランガ氏追悼





訃報


マコンデの巨匠ジョージ・リランガ氏死去

 マコンデ美術の巨匠ジョージ・リランガ(George Lilanga)氏が、2005年6月27日夕刻死去されました。享年71歳。
 リランガ氏は5年前から糖尿病による高血圧に悩み、今年もアメリカに行って、心臓にペースメーカーを付けていたようですが、汗をかくと機能しないとかで、その日の夕方も病院に担ぎ込まれて蘇生手当をされたが‥‥というのが遺族の説明でした。
 リランガ氏は1934年、タンザニア南部ムトワラ州マサシ生まれのマコンデ人です。マコンデの伝統から早くから彫刻に馴染み、頭角を現します。ダルエスサラーム のニュンバヤサナー(芸術の家)の創設者シスター・ジーンに見出され、彫刻だけではなく、木版、銅版、皮革、水彩、油彩、ろうけつ染、その他多彩な美術活 動を展開します。
 彼のモチーフは、シェタニ(精霊)と人間との関わりで、それはマコンデの伝統というよりも、作者のイマジネーションから生み出されたものだと思われます。 そのユニークで愛嬌のあるシェタニたちの姿は多くの人を魅了し、日本をはじめ多くの欧米アフリカ諸国を旅し、展覧会を開きました。
 1984年ダルエスサラームに住むようになった筆者も、当時既にニュンバヤサナーのトップアーチストであったリランガ氏のシェタニに興味を惹かれました。当時タンザニアに在住しておられた八日市の女性に「これはすてきね」と言われ、やはり多くの人に魅力があるのを実感しました。
 1986年から私家版のリランガ・カレンダーを作って、皆さんに紹介してきました。リランガ・カレンダーはその後JATAツアーズカレンダーとして続き、2006年版も完成した矢先でした。
 2000年に糖尿病を患い、長い闘病生活の後、両足切断となり、車椅子生活になりましたが、ダルエスサラーム郊外のバガラのスタジオで、子ども、孫たちを指揮して活発な創作活動を続けておられただけに残念です。

 ナンポカ氏(2000年)、ザウォセ氏(2003年)とタンザニアの芸術界は巨星を失い、またリランガ氏がこの世を去るということで、大きな脱力感に襲われていますが、リランガ氏が自分の生み出したシェタニたちに囲まれて、最近は飲めなかったお 酒を味わっていることを祈ります。

 奇しくも、リランガ氏、ティンガティンガ派の画家たちを精力的に日本に紹介された白石顕二氏も、6月22日に急死されたという知らせが、葬式でも集まった芸術家に流れていました。ご冥福を祈ります。

合掌                                       (根本 利通)

    ★葬儀の詳報は右記にあります。リランガ<追悼>

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