国立公園と自然保護区



タンザ二アの最大の観光資源は、野生動物を主人公とする国立公園で現在15ある。またンゴロンゴロのように住民と野生動物が共存する自然保護区、一部狩猟が許される動物保護区なども存在している。

1.南部サーキット

(1)ルアハ国立公園(Ruaha National Park)
 タンザニア南部を代表する国立公園。ダルエスサラームから南西方向タンザン・ハイウェイを500km、イリンガの町から120kmほどダート道路を走って大ルアハ川のゲートに到着する。約10時間。面積10,300km2。近隣の動物保護区を併入して、タンザニア最大の国立公園を作る計画が進行中(2010年)。入園料$20。
 北部サーキット(セレンゲティなど)と異なり、南部アフリカに連なる景観をしており、見られる動物も少し違ってくる。ローン、セーブルの両アンテロープ、リカオンなどが特色といえる。大ルアハ川に沿っているので、カバ、ワニ、水鳥も多く見られる。獲物のヌーがいないので、ルアハのライオンはセレンゲティのライオンより勤勉という話があるが、本当だろうか?
 近年、ルアハ川上流での灌漑農業が進み、川の水位が低下し、乾季にはカバが苦労しているようなのが心配だ。
ウォーターバック
ルアハ川とウォーターバック
©小林彰・知子

(2)ウズングワ山塊国立公園(Udzungwa Mountains National Park)
 新しい国立公園。以前から存在していた5つの森林保護区が一緒になって、1992年に指定された。ダルエスサラームから西南西に走って370km。ミクミの町から南下して約60kmの所にゲートがある。
 面積1,990km2の小さな公園だが、イリンガ・レッドコロブスやサンジャ・マンガベイなどの新種のサルや鳥が見られる。大型肉食獣がゲート近辺にいないので、キャンプを張り、森林の中を歩くことができる。すばらしい滝(サンジャの滝)もある。入園料$20。
サンジャの滝
サンジャの滝

(3)セルー動物保護区(Selous Game Reserve)
 タンザニア(アフリカ)最大の動物保護区。世界遺産。面積50,000km2以上で九州の約1.4倍。一部では狩猟が許可されていることもあり、広大なサバンナに動物たちが点在して、ケニアの国立公園などと違って逃げ足が速いという。かつてはゾウ、サイなどが多数生息していたが、密猟によって大幅に減少したが、最近は厳重な保護体制のもと、頭数は回復しつつあり、ゾウは多く見られる。
 ルフィジ川沿いにキャンプが多く、ボートサファリでカバ、ワニ、水鳥を眺めたり、ウォーキングサファリを楽しむことができる。大雨季(3月中旬~6月初旬)は閉鎖される。陸路で行く場合は7~8時間かかり、雨季には行けない。一般的にはダルエスサラームまたはザンジバルから軽飛行機で各キャンプに飛ぶ。ダルエスサラームから1泊2日で楽しめるので、時間のない人やビジネス出張者が、週末にアフリカ気分を味わうのに向いている。時間のある人はタンザン鉄道利用(急行で4時間半)もおもしろい。連休には特別列車が出ることもある。入園料$30。

セルー動物保護区(1)
セルー動物保護区(2)
紹介『アフリカ野生の心』
ルフィジ川
ルフィジ川とボラサス椰子

(4)ミクミ国立公園(Mikumi National Park)
 ダルエスサラームから西へ300km、4時間、タンザン・ハイウェイを走った所にある。ダルエスサラームから手ごろな距離にあるので、ビジネス出張者が週末動物サファリを楽しむのに向いている。1泊2日がちょうどいい。面積3,230km2。  北部の雄大さはないが、ゾウ、キリン、バッファロー、ヌー、シマウマ、インパラなどは確実に見られ、ライオン、カバも見られる可能性が高い。手ごろなサファリ入門コースといえる。入園料$20。 ミクミ国立公園でキャンプ
キャンプサファリ
©今井千恵子

(5)サダニ国立公園(Saadani National Park)
 タンザニアで唯一海に面した国立公園で、「野生動物とインド洋が出会う場所」を売りにしている。2002年、旧来の動物保護区に周辺の森林保護区などを合わせて国立公園に昇格した。ダルエスサラームから最も近く、バガモヨから海岸沿いの道を北上出来れば120kmほどだが、現在ワミ川を渡河するフェリーがなく、大きく迂回しないといけない。一般的にはアルーシャへの幹線国道を経由して迂回していくか(3時間半)、軽飛行機(30分)を利用することになる。入園料$20。海沿いに2つロッジ、テントキャンプがある。大型動物がキリン以外は見づらいのが難だが、ワミ川を遡るボートサファリはカバ、ワニ、水鳥がたっぷり見られ、魅力である。 ワミ川のカバたち
ワミ川のカバたち

2.北部サーキット

(6)セレンゲティ国立公園(Serengeti National Park)
 タンザニアのみならずアフリカを代表する国立公園。ユネスコ世界遺産。1951年タンザニアでは最初の国立公園に指定された。北部サーキットの中心。地名はマサイ語の「果てしない草原」から来ているように、典型的な大サバンナが広がり、ケニアのマサイマラ草原に連なり、雨季の訪れに伴う100万頭と言われるヌーの大群の大移動と、それを追うライオンの多さで有名で、「野生の王国」を形成している。
 アクセスは北部の中心地アルーシャからで、車で8時間、軽飛行機で1時間。面積は14,763km2。悠久を感じさせる広さで、出来れば3泊以上滞在したい。入園料$50。

大雨季のセレンゲティ
空から見たセレンゲティ
空から見たセレンゲティ

(7)ンゴロンゴロ自然保護区(Ngorongoro Conservation Area)
 アルーシャからセレンゲティ方向へ向かって3時間。セレンゲティと隣接し、同じ生態系を共有している。世界遺産。ンゴロンゴロクレーターの中には多くの動物が安定して住んでいるので、(キリン以外は)1年中確実に見られる。クロサイを見ることが出来るのは、タンザニアではここだけ。面積8,300km2。入園料$50。クレーターサービス料$200(車1台)。
 またここは国立公園ではないので、遊牧民マサイが伝統的な生活を送りながら、野生動物と共生している。多少観光的になっているが、マサイのボマ(部落)を見学することも出来る。
 この保護区内に、オルドヴァイ峡谷やラエトリがあり、人類発祥の地の一つと言える。オルドヴァイは1959年ルイス&メリー・リーキー夫妻がアウストラロピテクス・ボイセイの化石骨を発掘したことで知られ、現場には発掘当時の地層を示す断層が残され、小さな博物館がある。
カバとヌー
カバとヌー
©金山泰裕

(8)マニヤラ湖国立公園(Lake Manyara National Park)
 面積330km2と小規模な国立公園であるが、ンゴロンゴロ、セレンゲティへの道筋にあるため、訪れる人は多い。マニヤラ湖というソーダ湖を中心とした公園で、フラミンゴ、ペリカンなどが多い。2003年はフラミンゴの繁殖が見られたと言う。また森林性なのでゾウも多いが、有名な「木登りライオン」は最近見られないという。大地溝帯の断層がはっきり見られる。入園料$35。 マニヤラ湖
マニヤラ湖

(9)タランギーレ国立公園(Tarangire National Park)
 北部サーキットの一環で、セレンゲティ、ンゴロンゴロ、マニヤラ湖と連なるゾウの移動ルートにあるが、最近は周辺の人口増加によって孤島化が心配されている。バオバブの巨木が点在するサバンナと森林の国立公園である。面積2,600km2。入園料$35。アルーシャの町から殆ど舗装道路を2時間走るとゲートに着くので、時間のない人は日帰りも可能である。 ゾウたち
ゾウの群れ

(10)アルーシャ国立公園(Arusha National Park)
 タンザニア第二の高峰メルー山(4,566m)を含む137km2の小さな公園。森林と湖、小さなクレーターがあり、アビシニア(クロシロ)コロブスや大小モメーラ湖のフラミンゴで有名である。メルー山登山もモメーラ・ゲートから 2泊3日で行われる。入園料$35。アルーシャの町からモシ方向に幹線道路を走り、途中から山登りをして1時間弱でゲートに着く。大型肉食獣はいないが、キリン、バッファローは簡単に見られる。 クロシロコロブス"
クロシロコロブスの後姿

(11)キリマンジャロ国立公園(Kilimanjaro National Park)
 アフリカ最高峰キリマンジャロ山(5,895m)を含む面積756km2。裾野の広がりの大きい休火山で、登山には難しい技術は不要で、子供でも登れる一方、屈強な男でも高度順応に失敗するといけない。高山病に罹ったら、直ちに高度を下げることである。最も一般的な登山ルートはマラング・ルートで4泊5日のコースになるが、高度順応のため2泊目のホロンボ・ハットに連泊する5泊6日のコースも使われている。最近は登山ルートが開発され、より難しいマチャメ・ルート、ウンブウェ・ルート、ロンドロシ・ルート(全て5泊6日)なども利用されるようになった。入園料$60。

キリマンジャロ登山記
空から見たキリマンジャロ山
キリマンジャロ山
©今井千恵子

3.西部サーキット

(12)マハレ山塊国立公園(Mahale Mountains National Park)
 タンガニーカ湖畔のマハレ山塊にある面積1,613km2の国立公園で、チンパンジーの桃源郷として名高い。1965年西田利貞氏が餌付けに成功して以来、京都大学を中心とする霊長類学の研究グループが調査を続け、チンパンジーの社会構造を明らかにし、人類の進化への大きな材料を提供し続けている。JICAの援助が入り、1985年国立公園に昇格した。日本の援助で、環境保全関係で成功した数少ない例として知られる。
・行き方
 公共交通機関を使う場合はかなり大変である。ダルエスサラームからキゴマへは週3便飛行機が飛んでいる(2011年7月現在、zara航空)が、時々フライト・キャンセルが起こる。鉄道はダルエスサラーム/キゴマ間を週2便、38時間で結んでいるが、ドイツ植民地時代に建設されたもので老朽化しており、遅れることが多く、雨季には脱線事故も起こる。
 キゴマから汽船が週1便出ている。これもドイツ植民地時代の老朽船Liemba号かMwongozo号のどちらかで、水曜日夕方に南行きが出発する。空いていれば、あるいは1等船室が取れれば、なかなか快適な船旅となる。約7~10時間後にムガンボ(Mgambo)に到着し、そこでマハレ行きのボートに乗り移る。深夜でボートは押し合いへし合い、揺れ動くボートに飛び移るのは難儀な作業である。
 ボートで星空を眺めながら1時間余り行くと、ビレンゲ(Bilenge)という国立公園(TANAPA)の本部に着く。ここで入園料($50)を支払い、さらにボートで1時間ほど行くと、カシハ(Kasiha)という京大の調査基地のある部落に着く。復路は土曜日深夜に北行きの汽船をムガンボで待つことになる。
 キゴマの2つの旅行社(Sunset ToursとKigoma Hill Top Hotel)がボートを持っていて、4~10時間ほどで客を運ぶ。またTANAPAや京大のボートが出るときに遭遇すれば、それに便乗する手もあるが、木造船は10~12時間ほどかかり、波風によってはびっしょり濡れることもあり、厳しい旅になる。
 よほど時間がなく、あるいはお金の有り余っている人は、ダルエスサラームからあるいはアルーシャから、チャーター機で入るという手もある。Grey StokeやFlying Catcherがシーズン(6~10月)は頻繁に往来している。
・宿泊
 マンゴーハウス:TANAPAのゲストハウス。8部屋16ベッド。自炊になるので食料持参。調理を依頼することはできる。Grey Storkなどの豪華キャンプが乾季に設営される。キャンプも可能(自炊)。
チンパンジーの親子
チンパンジーの親子
©中村美知夫

木の上のチンパンジー
木の上のチンパンジー
©中村美知夫

タンガニーカ湖
タンガニーカ湖
©中村美知夫

(13)ゴンベ渓流国立公園(Gombe Stream National Park)
 イギリスのジェーン・グドールが、1960年チンパンジーの文化行動を発見し、その後の調査・観察で有名になった。チンパンジーを容易に観察できる。面積52km2でタンザニア最小の国立公園。キゴマからスピードボートで1時間半ほど。入園料$100と高い。

チンパンジーに会いに行く
ゴンベの森
母チンパンジー"
母チンパンジー

(14)カタビ国立公園(Katavi National Park)
 ルクワ州にある孤立していてなかなか行きづらい国立公園。マハレから軽飛行機で入ることが出来る。面積4,471km2。荒らされていないので、バッファローの大群に遭遇したり、おびただしいカバの群れ、ローン・アンテロープが見られる。入園料$20。

(15)ルボンド島国立公園(Rubond Island National Park)
 ヴィクトリア湖に浮かぶルボンド島全域が国立公園。面積240km2。在来種以外に象やキリンを導入した一種の大型自然動物園。珍しいのは実験用に密輸されたチンパンジーを解放して、野生化させた唯一の成功例ということである。アクセスはムワンザから軽飛行機またはボートになる。入園料$20。ナイルパーチの釣りも出来る。

詳細は弊社発行ガイドブック「カリブ・タンザニア2010/11」をご覧ください。
日本では下記のところで手に入ります。
(株)マイチケット(大阪)
  TEL(06)4869-3444  E-mail:info@myticket.jp
ホームページ http://www.myticket.jp/

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