いよいよチンパンジー
サファリの記録

サファリの記録


  
*マハレ国立公園のチンパンジーサファリ*

その2(いよいよチンパンジー)


高崎和美さんより☆2012年9月


 1日目、9月17日
 朝、着替え最中の7時過ぎにチンパンジーの一声が聞こえました。8時にやってきた青年ガイドのレイモディくんの最初の言葉は「聞こえました?」だったので、こちらも「うん。聞こえた」。と答えます。

 マハレで長年観察されているMグループのチンパンジーは、自分たちの広い縄張りの中を周期的に移動しながら食事と社交と休憩を繰り返して暮らしています。この日はカシハの近くを通過していく彼らを見ようと、レイモディについて観察路を歩いていきました。

 森の中でチンパンジーの声を聞き、糞を見つけてその方向へ平らかな道を30分ほど歩いたところで観察路を歩く母子連れのチンパンジーと遭遇。レイモディくんの指示に従って使い捨てマスクを口に装着しました。観光客はチンパンジーに風邪などの感染症をうつさないように、観察中はマスクを装着し、近づきすぎず、1時間以内で切り上げることが要請されるのです。


チンパンジー発見

 そのうちオスたちの叫び声が聞こえてきました。その方向へ行くと、少し開けて明るい林の中で、大人のオスが5頭くらい、それから若者らしきオスが2,3頭、のそりのそりと座ったり動いたりしていました。そこでは日本人研究者のIさんがすでに観察をしていました。大人のオス同士があまり落ち着かない感じで動き回っているなと思っていたら、Iさんが「今はオスの勢力関係が不安定なんです」と教えてくれました。そのときは、若くて発情しているメスが木の上に隠れていて、みんなそれを追いかけているのだとも。

 突然、若いオスが一人、私と同行の知人が立っているその間の30センチほどの隙間をめがけてドドドッと突進で駆けてくるではありませんか。ギャッと驚く私たちに、レイモディが「落ち着いて!(Don’t panic!)」と声をかけたときには、もう二人の間を駆け抜け、走り去っていきました。観光客に対して自分の力を誇示したかったのかと思います。観光客向けのパンフレットに「他の人から離れないこと」と書かれている意味がわかりました。

 一団は少しずつ移動していきました。乾季で水が涸れて巨石がゴロゴロしている川原に出て、岩の上をワッサワッサとオスが動き回るのを見ているうちに1時間がたち、この日のトレッキングは終了でした。

 1回のトレッキングで観察は1時間だけと言われて、短いんじゃないかと思っていましたが、いざ森を歩いてみると、しっかり歩いて出会って観察し、また歩いて戻るので短いとは感じません。戻ったらちょうどお昼ご飯の時刻で、午後は部屋や浜辺でのんびりできました。


オスが若いメスを見上げる

 2日目、9月18日
 この日も、午前8時に出発、チンパンジーたちは昨日よりも少し北東の山の方ではないかとの情報を受けて山の方へ歩きました。季節は乾季の終わり、森ではイロンボと呼ばれるソフトボールくらいの白っぽい実がたくさんなっておりチンパンジーはその実を食べながら森の中をのんびり動いています。静かな森の中を1時間近く歩いているうちにチンパンジーの糞が見つかります。山の方で鳴き声がします。

 ガイドのレイモディは、「急いで行こう。先に着いたグループがいい場所で見える。」と言って足を速めます。急な坂道をどんどん登り、峠を越えていきます。声のする方へ、熱帯の森は、つる状の茎や枝がたくさん下がっているので、つるを避けながら森の中をショートカットしていきます。道を外れて10分くらいたったでしょうか、若いオスが一人、高い木の枝に乗って静かにイロンボの実を食べていました。このオスについてしばらく歩くと、昨日見たのと同じ大きなオスたちにも遭遇し、その周りを走り回る若いチンパンジーたちが見えました。2日目は、前日と違い、チンパンジーの雄叫び、パントフートはほとんど出ず、オスたちの暴れる姿も見られない静かな観察でした。

 2日間のトレッキングで、大きなオスたちはしっかり見え、少数ながらおしりのはれた(発情している)若いメス、子連れのお母さんたちまで、毎日十個体以上が見えました。また、平地の森、山の中の斜面の森、木の上、川原といろいろな場所を体験できました。いくつかの木の実を食べているところを見て、実際に木の実を手に持ったり味見をしたりできました。2日間たっぷり観察できたすばらしいトレッキングでした。


実を食べるオス

 なんと言っても、キゴマから何時間も湖上を進んで、やがて見えてくるマハレの山々を眺めながら国立公園に近づき、その翌日からチンパンジーに出会う旅全体がよかったです。はるかここまで来たかと思いながら、森を歩いたり、湖畔の浜からマハレ山脈を見ることそのものが心の洗濯でした。

 チンパンジートレッキングとは話がそれますが、3日目はチャーターした小舟で国立公園内の村を訪ねて個人のお宅を見せてもらったり、小学校を見学させてもらったりできました。チンパンジーを絶滅させず共存してきた地元の人たちに敬意を感じる旅でもありました。

 高崎さんたちのこれまでのサファリの様子はこちら。
 

「すばらしい眺め キゴマからムワンザへプロペラ機で行く旅」

 

「チンパンジーに会う前の楽しみ」


そしてこの旅の続きはこちら。
 

「地元の人と会いました」





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