サファリの記録

サファリの記録


*タンザニア鉄道でダルエスサラーム~キゴマの旅*


その1(ダルエスサラームからドドマまで)


歌津歩さんより☆2015年6~7月


 日本の約2.5倍の国土を有するタンザニア。国内を旅する方法は飛行機・バス・鉄道・船などと色々あります。少しくらい予定が遅れても大丈夫な旅人へは鉄道旅を是非、オススメしたいです。飛行機・バスそれぞれに利点はありますが、鉄道旅は、何と言っても人々との出会いが豊富です。また、レールは街を、村を、畑を通るのでタンザニア人の生活を車窓から窺い知ることができます。観光客に慣れていないマサイの姿をちらりと見る素敵な機会まであります。何かと事故があるバス旅よりも安心して乗っていられるのも、鉄道をオススメする大きな理由です。(この点タンザニアのママ達も異口同音でした。)

 今年の4月には韓国製の新客車両がタンザニア鉄道に導入されました。「飛行機のような」快適さが謳い文句のこの新車両・デラックストレインは、ダルエスサラーム~キゴマ、ダルエスサラーム~ムワンザを隔週で運行しています。どちらもダルエスサラーム駅発は日曜日の朝8時が定時です。(なお、ディーゼル機関車の部分は韓国製ではありません。ホイールはカナダ製、エンジンとその他はアメリカ製、ボディーはマレーシア製とのこと。これらを組み合わせて使用しているようです。)

 私が乗車したラマダン真っ只中の2015年6月28日(日)は、キゴマ行。始発駅は町の中心部(YMCAやYWCA等の安宿があります)からアクセスが良いセントラル駅。そこに7時に着くと、定番の大きな荷物を持った乗客たちでごった返していました。タザラ鉄道のダルエスサラーム駅と異なり、この小さな駅にはきちんとした待合室はありません。(また駅のお手洗いはchoo cha kulipa;有料トイレです。)駅舎に入ってすぐに、ホームへ向かう方が良いでしょう。チケットを手元に、乗客と駅員が押し合いへし合いしているゲートをえいやっ!と通過。ホームの掲示板には各乗客の座席表が貼り出されています。ここで初めて自分のコンパートメント/座席が把握できるのです。この点もタザラ鉄道とは異なる部分ですね。


ダルエスサラーム駅とその構内。

 さて、我らがタンザニア鉄道、この日は大変優秀だったようです。8時2分には出発を告げるアナウンスが入り、その3分後には走り始めました。(アナウンスはスワヒリ語のみです。)ホームで見送る人、線路沿いで暮らす人々、街中を駆けるバイクや車から、皆が列車を見つめています。車内BGMのボンゴフレーバーの軽快なリズムと車体のゆるい横揺れが心地良く、気分がますます高揚します。速度は日本の地方ローカル線と同じか遅いくらいでしょうか。タタン、タタンという乾いた音が何だか懐かしく感じます。

 



 客車両は、唯一のコンパートメントで男女別になっている2等寝台、リクライニングが出来てボトルホルダーもある2等座席、直角椅子の3等座席、そして食堂車と区分があります。2等寝台の各コンパートメントには、ベッドが6台と小さな洗面台、照明2つ、扇風機、コンセントが1つ(BFタイプ)、スピーカーが付いています。BGMや車内アナウンスが不必要な場合はスピーカーをoffにできるようにもなっています。Wi-Fiが使えると広告では豪語されていましたが、実際には予想通り、全く電波がありませんでした。なお、1等寝台は現在韓国にて1コンパートメント2人の予定で製造中とのこと。導入はいつになるのでしょうか。また乗りに行く理由が出来そうですね…!


2等寝台。

 

2等座席(上)と3等座席。

  この新車両には荷物の重量制限が設けられているようなのですが、職員は誰も確認をしていません。一体何が入っているの!?と聞きたくなるような荷物ばかり。コンパートメントは床に荷物を置くので問題はありませんが、座席車両は頭上の棚にドカドカと置かれていて…すぐに壊れてしまいそうで心配。1日も長く棚が使われますように。

 各車両の前後にはお手洗い(和式、洋式)と給水機があります。給水機はタンザニア鉄道の旧車両にも、タザラ鉄道にも無いものでしたので、このデラックストレインならではの機能です。何度も飲みましたが特に問題はありませんでした。(とは言え、ご不安がある方はミネラルウォーターをご持参ください!)お手洗いは他の列車と同様、走行中のみ使用可能です。手洗い水も出ました。(切らしている時もありましたが…)

 

給水機とお手洗い。

  気になる車内のセキュリティーですが、2等寝台は各コンパートメントのドアに鍵がついています。また、2等寝台にはrailway policeが数名乗車しており、車内や各停車駅で見回りをしています。私のコンパートメントにはママが3人と子どもが6人の総勢10人と賑やか。安心して過ごせました。2等・3等座席はオープンスペースとなっていますので、外国からの旅人は防犯の為に避けておいた方が良いかもしれません。


同室のママと子どもたちと。

  食堂車ではスワヒリ料理が提供されます。ワリ・クク、ンゴンベ、サマキ、ムチュージ、チプシ、チャパティ、スパイス香るチャイ(白ご飯とチキン、ビーフ、魚、トマトスープの煮込み、フライドポテト、インド風薄いパン、砂糖たっぷりの紅茶)、各種ビール、新商品のキリマンジャロツイスト、そして、「the spirit of the nation」のコニャギ。相場は食事が5,000Tsh前後、チャイ・チャパティは各500Tsh、アルコールの相場は…2,500Tshくらい?のはず。(気前の良い方々にご馳走していただきました!)食事は美味しいのですが、やはり量は少なめ。それでもキッチンで一生懸命に作っているシェフ達を見ると、十分満足できました。


食堂車。

   この日の列車は6時間後にモロゴロ駅に到着。整備士のおじさん達によると、なんともう遅れ始めているとのこと。また、ここでは給油の為に1時間停車するとアナウンスが流れました。駅では、数ある農産物の中からオレンジを購入しました。爽やかな香りでリフレッシュ!

 

モロゴロ駅。

  2,000m級のウルグル山地が連なり、この列車旅で一番緑が美しかったモロゴロ。ドドマ駅へ向けて走り始めると、次は赤土とバオバブがとにかく存在感を放っている地帯に突入します。



   ちょうどラマダン(断食月)の期間中だったので、日没後にはイスラームの方々へ、フタリが供されました。メニューは全て見てはいませんが、タンビ(サラダ用パスタのような物にカルダモン、砂糖を和えたもの)、じゃがいものトマト煮込み等だったようです。

 ドドマ駅到着時刻は22時。それでも沿線ではチプシ・ククをはじめ、老若男女たちが商売を繰り広げています。いったい何時から待っていたのだろう。同コンパートメントの女の子と「何だかお腹が空いてきたねぇ…!」と誘惑と格闘しながら眠りに付きました。



その2 ドドマからキゴマまで

その3 キゴマからダルエスサラームまで

※関連記事「タンザニアの交通(中央鉄道)」Habari za Dar es Salaam 2015年6月1日付より



 



トップページへ戻る