バガモヨ旧税関跡

タンザニア
旅行トピック
(2003年)

ウォーターバック"

7.ワイルドライフ売却で大混乱


 イラク戦争などの影響を余り受けずに、年末年始の観光のピークシーズンを迎えようとしているタンザニアに突如の大混乱が起こった。タンザニアの至宝とも言うべき、世界遺産セレンゲティ、ンゴロンゴロをめぐってである。
 セレンゲティ、ンゴロンゴロ、マニヤラ湖、タランギーレを「北部サーキット」と称するが、セレンゲティ国立公園にあるセロネラ・ワイルドライフ・ロッジ、ロボ・ワイルドライフ・ロッジ、ンゴロンゴロ自然保護区にあるンゴロンゴロ・ワイルドライフ・ロッジ、マニヤラ湖にあるマニヤラ湖ホテルは、1970年代初めに国営ホテルとして建設された老舗のロッジである。コピエと呼ばれる岩山を利用して作られたセレンゲティの2つのロッジ、クレーターの底を見下ろす外輪山の上にたつンゴロンゴロ、大地溝帯を見下ろす断崖の上に立つマニヤラ湖ホテルなどで、国営時代の怠慢で施設が老朽化しており、お湯が出なかったり、食事がやや単調だったり、従業員の訓練が今一つという不満はないわけではないが、とにかく野生動物を見るには最高の立地で人気がある。
 1980年代の後半からの自由化で、ソパ、セレーナといった高級ロッジが出来たり、白人好みの豪華テントキャンプが作られて、選択肢が増え、豪華志向の人たちには避けられるようになったが、価格の安さと立地条件のよさから、パッケージツアーや若者には手ごろで人気も高かった(1泊ツインで$220)。
 それがこの12月12日に突然、新しい経営者に代わり、料金が1泊$370との通知があった。現在のオーナーもフランス系の会社で、タンザニア政府から委託されて経営していたのだが、経営権の売却の方向で話が進んでいるという噂は前からあった。その売却交渉がまとまり、インド系と南ア系の合弁(未確認)で、経営は南ア系が担当するという。何も改装せずに急に料金を倍にする、それも一年で一番の繁忙期を直前にして、既に予約手配がほとんど完了している時にである。余りにも乱暴な話なので、TATO(タンザニア旅行業協会)との交渉で「12月31日までの予約支払いは尊重するが、予告期間はそれで十分で、1月1日以降は新料金とする。タンザニアの旅行業者に依存しなくても、我々は世界中にネットワークがあり、集客には問題はない」 と傲岸不遜な回答が出て、大騒ぎになっている。在留邦人の予約は、ロッジを変更したり、何とか対応できても、日本からの旅行客からの場合は、追加料金(ワイルドライフより安いロッジは公園内にはない)の問題などで、変更が進まずにいて、最悪の場合はサバンナで立ち往生と言う事態も考えられる。
 南ア系の旅行社は強引なやり方が多く、今までもタンザニアでは小さなトラブルが多かった。今回、Resident料金があり、タンザニア人が唯一安く行けたロッジが、南ア系に移行することによって、タンザニア人が自国の財産を見られなくなる可能性が出てきた。国の財産を外国人に売り渡すことの弊害が出てきたように感じられる。(2003年12月)

6.タンザニア空模様


 イーグル航空やエクスプレス航空の参戦で、一見戦国模様になりかけたが、半年経ってほぼ情勢が明らかになってきた。タンザニア航空に代わって国内最大手になったと見られるPW(プレシージョン航空)はKQ(ケニア航空)の傘下に入り、新しい機体を導入し、ダルエスサラーム/アルーシャという幹線を毎日2便運航している。11月からはダルエスサラーム/キリマンジャロ線も運航する。ムワンザ線、ムトワラ線、キゴマ線という国内幹線も維持している他、ダルエスサラーム/モンバサ、キリマンジャロ/ナイロビ、キリマンジャロ/モンバサといったケニアへの路線もKQと一緒に運航している。
 国内で唯一対抗できるのはSA(南ア航空)の傘下に入り、独自の航空券を発行できなくなったTC(タンザニア航空)で、キリマンジャロ、ムワンザにには毎日飛ばしており、ザンジバルやムトワラにも飛ばしているが、重点はナイロビ便、ヨハネスブルグ便、エンテべ便といった近隣諸国への便である。近隣諸国といってもルサカやハラレへの便はなくなった。不採算路線は切るというか、ヨハネスブルグ経由で行けばいいというSAの判断か。ムワンザ線、ナイロビ線でのKQ /PW連合との熾烈なシェア争いで、運賃のディスカウント合戦になっているのは乗客には嬉しいが、その反面どちらかが倒れたら高値安定になるのではないかと気になる。
 イーグル航空は再度運航にならず、エクスプレス航空もTCとのコードシェアという形で消えていった。他には観光路線に特化する、コースタル航空、ザン航空、エクセル航空、リージョナル航空が小型機で、セレンゲティ、ザンジバル、セルー、ルアハなどの観光地と、ダルエスサラーム、アルーシャとを結んでいる現況である。(2003年10月)

5.イーグル航空、運航再開


 昨年5月から運航を休止していたイーグル航空が4月6日から運航を再開する。44人乗りのF50を1機だけ使った再開なので、果たして時刻表が守れるか?毎日ころころ時刻表が変わって当てにならなかった去年の二の舞にならないことを期待する。
 今回の時刻表による目的地は次の通りである。
 ・キゴマ(タボラ経由)週2便
 ・ムソマ(キリマンジャロ経由)週2便
 ・ムトワラ(リンディ経由)週4便
 ・ムワンザ(シニャンガ経由)週2便
 注目されるのは、現在定期便が飛んでいないムソマ便の再開であろう。南部重点シフトは変わらないが、今プレシージョン航空が週4便飛んでいるキゴマにも週2便(月・木曜日)飛ぶ。つまり週6便、土曜日以外は飛ぶことになり、キゴマへの旅行者には朗報だが、果たしてそれだけ需要があるのか?4月6日~5月15日まではキャンペーン料金でプレシージョンに比べて2割引、その後も1割引の運賃が発表になったが、原油代高騰の折から、果たしてやっていけるのか、心配ではある。(2003年4月)

4.タンザニア航空リニューアル


3月30日から、ATC(タンザニア航空)の時刻表が一新した。SAA(南ア航空)が49%の株を取得して、その傘下に入り、一部SAAの機体を使ってデザインも一新して再出発した。
 特徴は、タンザニアの国営航空会社とは思えないほど弱体化した国内線の強化だろう。幹線であるダルエスサラーム/ムワンザ便は週14便、ダルエスサラーム/キリマンジャロ便は週7便、ダルエスサラーム/ムトワラ便は週3便になった。
 国際線はドル箱のダルエスサラーム/ナイロビ便が週9便、ダルエスサラーム/ヨハネスブルグ便が週5便と増えた他、ダルエスサラーム/エンテベ便も週4便、キリマンジャロ/エンテベ便も週4便創設された。その代わり、ルサカ、リロングウェ、ハラレといった南の隣国への便は皆無となり、嫌でもナイロビ経由かヨハネスブルグ経由ということになった。特にザンビアの航空会社はダルエスサラームに乗り入れていないから、ルサカ行きの直行便はなくなってしまった。
 一見合理化というか、不採算路線はばっさり切って(タンザニアの国内のローカル線は一切なくなった)、競争に立ち向かおうとしていると理解しているが、タンザニア人の航空会社ではなくなっていくような気がする。(2003年4月)

3.新紙幣の流通始まる


  この2月から新紙幣の流通が始まった。カラーコピーによる偽札の横行対策だと言うが、真相は分からない。従来の500、1,000、5,000、10,000シリング札が新しくなったほか、新たに2,000シリング札が発行された。20という単位がある国は多いが、2,000円札が馴染まない日本人としては、何でこんなもの作る必要があるのだろうか?と思う次第である。従来通り、1,000シリング札は「国父」故ニエレレ大統領だが、それ以外はキリン一辺倒から、様々な動物に変わった。どんな動物かは、下記をご覧あれ。もちろん従来の紙幣も流通しているが、6月末日で失効の予定である。(2003年2月)


新500シル札" 新1000シル札" 新2000シル札" 新5000シル札" 新10000シル札"

2.ンゴロンゴロでウォーキング・サファリ


 ンゴロンゴロ保護区は国立公園とは違い、在来の住民の居住を認めている。在来の住民とはマサイ人で、伝統的な遊牧生活を送っており、その生活を垣間見ることができる。だからというわけではないが、自然保護区の当局がウォーキング・サファリを積極的に取り入れて、現在14のコースが設定されている。
 公園のガイド(レンジャー)を案内に保護区の中を歩く。さすがにクレーターの底を歩くコースはないが、外輪山の西側を歩くコースはある。短いのは2km、2時間のコースもあるが、大体が8~15km、6~8時間コースである。長いのは35km、15時間のコースがあり、これなどは日中ずっと歩いても終わらないから、1泊するのだろうと思わせる。レンジャーの費用(1日$20)さえ払えばいいのだから安上がりのサファリというか、大自然の空気を吸いながら、動物の糞を追い、ライオンの叫びに怯える、興奮させるサファリとなるだろう。(2003年1月)


ンゴロンゴロウォーキングマップ"

1.ダルエスサラーム発ンゴロンゴロ行き直行バス


 北部サファリの拠点都市アルーシャからンゴロンゴロ、セレンゲティへ向かうと、最初の80kmはドドマへ向かう幹線道路で舗装されている。マクユニという分岐点で西へ向かうのだが、そこから赤い土の道が始まり、車を4駆に入れて「さぁこれから…」と気合を入れることになる。これが今まではサファリの起点だった。しかし近い将来それが変わりそうだ。今日本のODAでマクユニからンゴロンゴロまでのラフロードが舗装されつつある。昨年話題になったS議員の絡みが噂されるプロジェクトである。それはともかく、セレンゲティ~ンゴロンゴロ~マニヤラ湖~タランギーレとつながる北部サーキットの特にゾウの回遊路を分断してしまうとか、工事中の埃で植生に影響を与えるとか、環境面での評価も割れていた。ただ開発しない方がいい、環境保護というのも単純には行かない。この地域に住んでいる人たちにとっては生活道路で、アルーシャという都市圏に野菜その他を運ぶという重要な役割を担った道路で、ただ単に観光客のための道路ではない。
  さてだいぶ工事が進んだところで、2003年1月からDar Expressというバス会社がダルエスサラーム発ンゴロンゴロ行きというバスの運行を始めた。ダルエスサラーム発06:00、ンゴロンゴロ着18:00で、運賃はTsh15,000。それを聞いた時は、「これはバックパッカー用のバスか」と思ったのだが、バスの終点はンゴロンゴロ自然保護区のゲートで、そこで折り返すという。ゲートからンゴロンゴロ・ワイルドライフ・ロッジまでは登り道が10km以上あるから、歩けるものではなく、また夕刻歩くことが許されているわけでもない。ンゴロンゴロに常駐するツアー会社または自然保護区の車が待機しているかどうかというのはまだ情報がなく、観光客がこのバスを利用できるようになるのはまだ先かもしれない。ただこの地域(カラツやムトワンブ)に生活する人たちにとっては朗報だろう。(2003年1月)


   

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