農村滞在



オルタナティブツアーを終えて/ブギリ村にて・2015年8月

森田夢人さんより


ブギリ村の光景 今回はタンザニア伝統楽器、マリンバを習いにツアー会社の力を借り、現地へと訪れることが出来た。

まずここで言うマリンバが何か分からない人が多いだろう。マリンバ、といってもあの南米のグアテマラなどで使われる木琴のことではない。日本ではカリンバや親指ピアノというといった方がわかりやすいと思う。基本的に木の板を箱型に組立て金属製のキーをいくつか片側を浮かせて取りつけそれを爪、もしくは指の腹で弾く楽器である。ブギリ発祥のマリンバは日本ではイリンバと呼ばれることが多い。イリンバという呼び方はサイズが二種類以上あり、大きいものをイリンバ、小さいものをチリンバと呼ぶように、比較の際に用いられる呼び名だ。

さて、ブギリ村の話をしたい。このブギリ村へ行くにはダルエスサラームのバスターミナルから片道9時間(道が混雑、事故、故障などにより実際はこれぐらいかかる。)ほどいった先にあるドドマ州まで行く必要がある。想像していた物とは違い、道路沿いに村があったのでアクセスも非常に便利だった。ここで今回自分を泊めてくれたのはバガモヨを拠点に世界各地へと演奏活動を行う楽団、チビテの一員であるダンフォード氏である。彼の家も道路沿いからさほど離れていなかった。しかしブギリは予想していた通り、悠大な自然に囲まれ都会とは正反対に無駄なものが全くない場所だった。乾燥帯であるためバオバブも見られる。ぜひここで見てほしいのがブギリに着く少し前あたりに走る道の両側にバオバブが無数に生えた平原がある。ここでもアフリカの雄大さを感じられるだろう。

小学校にて  ではここからは村での生活及び体験談を簡単に述べたい。ブギリは夜がとても暗い。街灯はもちろんない。だから夜になれば懐中電灯で照らしながらみんなで夕飯のチャパティやウガリ、暖かいチャイを飲みながら平和なひと時を過ごすのである。食事は日本と違いシンプル、体にも良さそうだ。特に牛肉を水で煮込んだスープがあるのだが、それはぜひ一度は食べていただきたい。

風景もとても広々としており、遠くには山々が見える。少し道を行った先にあるキコンボ村も忘れてはいけない。そこに行くと岩山も見れる。なかなかお目にかかれない風景だろう。ちなみにそこにはハイエナが住んでいるので要注意だ。タンザニアといえばキリマンジャロ、ンゴロンゴロ、セレンゲティと皆いうがドドマも忘れてはいけない、ぜひもっと紹介されるべき秘境である。

楽器の話をしておきたい、最初にも述べたがマリンバについてだ。ズバリこのドドマ州に住むゴゴの人びとが生んだ楽器だ。夜にはマリンバの音が聞こえてくることもある。誰かが弾いているのだ。マリンバが弾ける人は村にたくさんいる、私はダンフォード氏から教わったが、あえて村のプレイヤーたちにお願いしてみるのもいいだろう。村の曲はバガモヨのチビテとは違うゆったり感、シンプルさがあって面白い。その中でムヘポの曲が幸運にも聞けたが、プリミティブなリズムの組み合わせが楽しい、もし聞ける機会があったのならぜひリズムを感じて欲しい。

ブギリ村のバオバブ 個人的な話だが、ダンフォード氏たちとピキピキ(モーターサイクル)に乗って砂と赤土に満ちた平原を走ったのが何よりも爽快だった。市場に行く道中にこれが体験できた。空気も綺麗だし、バオバブや岩山のある道を下ったり突っ切るのがとてつもなく心地よいのだ。
風を切り突き進むピキピキ、忘れられない思い出だ。

最後にお世話になったダンフォード氏とチャールズ氏の話をしたい。
彼らのおかげでこんなにも旅が美しく、楽しくなった。買い物を手伝ってくれたり、言葉を通訳してくれたり、いろんな話に付き合ってくれた。不慣れだった自分を守ってくれた彼らの存在が私を生かしている。彼らの存在なくして無事に日本には帰ってこられなかっただろう。次いつタンザニアに行けるかはわからない。だが今でも明確に旅で見た景色を思い出せる。いつかまた、彼らに、美しい風景に巡り合いたいものだ。
ここで話したこと以外にも様々なことがあったが、それはあなたの目と肌で感じて欲しい。そしてこれからの人生に感じたことを活かしてほしい。
それが次にブギリへと向かうあなたに贈る願いだ。



 写真も全て森田さんより

 

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